水谷美月 Mizuki Mizutani
〜ミニミニ・コンサート〜
・文人趣味臥遊の世界にきらめくヴァイオリンの音色・
文人趣味臥遊展最終日。
バイオリニストの水谷美月さんのコンサートが、
展覧会の会場で開催されました。

当日は多数のご来場をいただき、ありがとうございました。
天井の高いホールに響くバイオリンの音色。
東洋の精神世界の象徴である水墨画で埋め尽くされた空間に、
違和感なく一体となってバッハの曲が演奏され、
また彼女の歌声が晴れ渡る初夏の風となって会場に流れました。

会場は江戸時代初期に中国からやってきた禅宗の寺、黄檗山萬福寺の境内。
ほんのわずかな時間の間に、彼女はこの空気を感じ吸収されたのでしょう。
弦の響きから、その重厚さを感じることができました。
そしてその音色の清廉さは、 文人達が愛した琴の音と通じるようにも思えました。
コンサートの最後は、水墨画とのコラボレーションです。
たった20分ほど前に、初めて出会ったバイオリニストと水墨画家。
「筆を置いたら終わります。」
決め事はこれだけです。もちろん曲も、画のテーマも、時間も決めていません。
コラボの始まりです。
まずはバイオリンの音が、画家の心の中に風景を呼び起こします。
やがて、真っ白な襖4枚に、墨が打たれます。

バイオリンのフレーズ、リズム、音色が筆先に語りかけます。
やさしく、明るく、やがて跳ねるように。

筆はそれに応えて、リズミカルに動き出します。

時には襖を打つ音がバウロンに。
すると、バイオリンのメロディーはアイリッシュな雰囲気に。
霧に煙る遠山が浮かびあがる頃には雨は止み、
バイオリンの音色は、しっとりとした霧に包まれ、
風、水の流れ、鳥の声、吐息・・・・にかわりました。

水墨画とバイオリンのお話は終わりました。
およそ15分くらいでしょうか。
演奏家と水墨画家の旅は終わりました。

水谷美月さまへ
コラボレーションの間、一度も目を合わすことなく筆を運びましたが、
心の奥深くで通じ、語り合えたことに感動と喜びを感じました。
この場をお借りして、改めてお礼を申しあげます。
またいつか、
水墨画の世界へご一緒に旅ができる機会があることを願っています。
最後になりましたが、
このすばらしい出会いを導いて頂いた
臥遊の仲間、黒田庄七郎さまに、心より御礼申し上げます。
方外閑人 素履 九拝
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